2014年1月 不正事例研究会 始動

あけましておめでとうございます。

 旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

 

 昨年、もっとも印象に残った不正は「テレビ朝日元社員の不正流用でした。

 これは201311月に問題になりましたが、実は全く同様の事件が20069月にも発覚しており、いずれの不正も2003年前後頃から長期にわたって行われていたことが指摘されています。仮に20069月に不正が発覚した際、「他に同様の不正がないか」との調査を徹底的に行っていれば、もう一方の不正もその時点で発覚したことでしょう。

上記事件は、組織内の自浄作用が全く作用していなかった事件として、その「根深さ」を感じざるを得ません。その根深さの原因を考えてみたところ、「天地人」という言葉が思い浮かびました。

 不正を行う者が最も悪いことは明白です。特に外部者との共謀が加わると、不正実行は容易になり、発覚が困難になります。これは「人」の問題です。

 不正が発生するのは環境に起因することもあるでしょう。番組制作会社とテレビ局という関係から当然に生じうる密接な関係を想定すれば、不正が生じる風土があったと思われます。これは「地」の問題です。

加えて、世間の目でしょう。今回の不正発覚で「けしからん」という報道はあったにしても、2006年に同じ会社で同様の不正があったことを強調する報道はなかったと思います。つまり世間的にも「不正やむなし」という風潮になっているのかもしれません。これは「天」の問題です。

「天地人」の本来は、孟子の教えにある成功術としての「天の時、地の利、人の和」です。不正実行者を主体とすれば、まさに「不正実行」=「成功」ということでしょうか。

天の時を待って、地の利を生かし、人の和をもって不正を成就せんとす

なんとも厄介な不正実行者の意気込みですが、逆に不正事例研究会としては、こうした不正実行者の考えを念頭におこうと考えます。その上で、今年も不正の要因や防止・発見・是正策について検討・公表していきます。

同業者、関係者等から「不正事例研究会。見てますよ。」というコメントも頂けるようになってきました。

これは励みになります。

できれば「お問い合わせ」でも良いですし、メール takuya@nakazato-cpa.comでも結構ですので、感想やコメントを頂けると幸いです。

 

今年も、不正事例研究会をよろしくお願いいたします。Taku